BLOGブログ
2022.03.25
高橋鋳造所のお仕事紹介 ~溶解って何をするの?~
鋳造って何?溶解って何?
鋳造とは、作りたい形と同じ形の空洞部を持つ型に、溶かして液体になった金属を流し込み、それを冷やして固める加工方法です。
紀元前4000年頃にメソポタミアで始まった鋳造はいろいろな所で使用されていて、たとえば道路にある街路灯やマンホールの蓋、公園や寺院にある仏像や釣鐘も鋳物です。家のまわりにある門扉やフェンスにも鋳物でできているものがあります。家の中では、水道の蛇口、ドアノブなどが鋳物でできています。鉄瓶、すき焼き鍋、ルクルーゼなどの日用品、銀の指輪、ゴルフクラブのヘッドも鋳物です。自動車のエンジン部品であるシリンダヘッド、シリンダブロック、そしてその中にあるピストンやピストンリング、ミッション部品、足周りのデフケース、ブレーキディスク、タイヤホイールも鋳物でできています。このように身の回りにある鋳物は、私たちの生活の必需品となっています。
様々なものができる鋳造ですが、弊社は砂型鋳造法にて鋳鉄鋳物を製造しています。今回はその最初の工程の「溶解」についてご紹介いたします。
材料を投入している所 | 「溶解」鋳鉄の溶解方法には、キュポラや電気炉を用いる方法があります。その内、電気炉には、誘導電気炉、アーク電気炉および電気抵抗炉を使います。弊社では「高周波誘導炉」と呼ぶ電気炉が2台あります。高周波誘導電気炉は、熱効率がよいので、溶解速度が速く、鋳鉄や鋳鋼を連続的に溶解するのに適した炉です。
|
今回はそんな溶解作業に従事している社員にアンケートを行いました
・どんなお仕事をしていますか?
材料を溶かし、成分調整をして出湯するのが主な業務です
・大変なことは何ですか?
火の近くで作業するので暑いこと、黒鉛等で汚れることです
製品の要でもある溶解作業では失敗できない。というプレッシャーを感じます
・気を付けていることは何ですか?
材質不良が起きないように、投入材料をしっかりと確認をすることです
材質の入れ間違い、成分・球状化剤の入れ忘れがないか、指定温度に調節することに気を付けています
・どのようなことにやりがいを感じますか?
平均50回/1日の出湯を目標にしています。条件が悪いときもあるので50回以上出ると頑張ったと感じます
・得意な作業はありますか?
新断プレスと呼ばれる材料を、マグネットを使用して移動させる操作は、目を閉じてもできると思います!(もちろんそんなことしませんよ!)ちょっとクレーンゲームに似ています。
湯の成分が正しいかどうか測る時に使う尺(溶解・注湯のみで使う。すべて手作り!) |
・一回の出湯で行う作業を教えてください。
溶解ナベに材料を投入→次のナベ用に材料の準備→湯(溶けて混ざり合った材料)の成分を計る→ 次の工程へ搬送するナベの準備→溶解ナベ(材料を溶かすナベ)から搬送ナベに湯を移す
・大変なことは何ですか?
やることが多いことです
20分以内に1回の出湯作業を完了するのを目標にしているので、そのために出来ることがないか考え、炉のパワーが落ちないようにしています
・気を付けていることは何ですか?
マグネシウムなどの投入を確認して、材質に間違いがないように確かめることです
ミスなく20分で出湯できるか、20分以内に出湯完了できるかを気を付けています
この上についている蹄の形のものは、炉に設置された集塵機です。 熱気と煙を吸ってくれるので、これが付いて作業がしやすくりました。 |
・やりがいは何ですか?
時間内に作業を完了させることです
・得意な作業は何ですか?
溶解ナベから搬送ナベに湯を移す作業です
注湯担当者のNさん、Kさんご協力ありがとうございました。
普段作業している場所の下です。 (普段行くことは少ないのですが、地下があるなんて珍しいですよね) |
今後も弊社の職場の様子をお伝えしたいと思います。
次回をお楽しみに♪